
おはようございます。シャトレーゼに入ったときのいい匂いの根源がなにか気になっている daipresents です。あれ、ほんとなんの匂い?
この1年、AIがとてつもないスピードで進化しており、活用するエンジニアもどんどん進化しているように感じています。
僕は「カミナシ 教育」と「カミナシ 従業員」の2プロダクトにかかわっているのですが、「小さく作ったつもりが、結果的に大きくなっちゃった」というケースが、立て続けでありました。
もしかしたら「AIの登場によって、MVPも巨大になってしまっているのではないか?」と感じたので、ふりかえってみようと思います。
AIの登場によってわかったこと
カミナシ社内でも開発に置けるAI活用は進んでいます。これはデータにも現れていて、今年に入ってからはAIによるコード生成量は格段に増えています。

去年はまだ「試し試し」だった部分が、今年に入って「使うべき存在」になり、開発の流れも大きく変わっています。
特に「コードの量」は格段に増えており、開発に大きく影響を与えています。
MVP開発でおきたこと
カミナシの開発では一般的に、小さく作ってどんどんリリースしながらプロダクトを育成してく形を取っています。
参考: カミナシと、質とスピード - MVP にこだわり、アジリティを獲得する
今回の事例でも同じくMVPを定義し、開発を進める形を取っていました。
しかし、成果物をレビューするときに「思った以上にいろいろできる」というフィードバックが多数でてきました。
エンジニアは、AIが開発に十分使えることがわかってきて、AIを使った開発を試していました。予想通り、AIは賢くなっており、たくさんのコードを生成してくれます。気がつけばスコープが広がっていました。
エンジニアとのふりかえりの場において、「もし、開発前にもどれるなら何をするか?」と問いかけディスカッションしましたが、以下の点がポイントとしてでてきました。
MVPを「ちゃんと」定義する
最初に決めたスコープを守る必要があります。
AIがいろいろ配慮して作ってくれるのはありがたいのですが、「何をやるべき」で「何をやらないべき」かを決めるのは「まだ」人間の役割です。
逆に「AIに全部作らせて、あとで削ればいいじゃん!」という考えもあります。
— mrdoob (@mrdoob) 2026年4月5日
上記の図は、JavaScriptの3Dライブラリ「Three.js」の開発者である @mrdoob さんのポストです。ウォーターフォールやアジャイルのMVPの図はよくみかけるものですが、「AI」という項目が今回の現象をとても良く表しています。
この図のように、AIに作ってもらい、そこから削るのはどうでしょうか?
エンジニアとも話しましたが、この作戦も難しく感じています。
まず、AIの出力の良し悪しを考えるためには、すべての出力を人間が読み込まなければなりません。機能が多くなると人間が理解するのに時間がかかってしまい、アジリティが落ちます。AIの認知能力と人間の認知能力では圧倒的に差があるため、人間がボトルネックになってしまいます。
さらに、機能が増えるということは、検証材料が増えるということです。検証したい項目が増えれば増えるほど、やっぱりアジリティは落ちます。
最後に、機能が存在すると心理的にも「なんか全部いりそうだな・・・」となりがちです。AIの労力とはいえ「作った時間や使ったトークンがもったいない」という心理が働き、捨てる勇気が持てず「使ってくれるはず」と思いこんでしまうかもしれません。
こういった「たくさん作ったときの難しさ」を考えると、「スコープを守る」という行為は、「タイムボックスを決める」に近しいのかもしれません。制約を設けないと、制約を超えてどんどん機能が作られます。タイムボックスという制約をつけることで、できる範囲がしぼられます。
まとめ
AIが開発に与える影響は大きくなっています。特に「コード量」は確実に増加傾向にあります。
AIのそのまま任せてしまうと、開発も「大きく」なってしまう可能性があります。しかしながら、人間は大きなものを認知するのに時間がかかり、結果アジリティが落ちます。
そうなると、AI時代であれどアジャイル開発のMVPの考え方や、スプリント・イテレーションを使った漸進的な開発(インクリメンタルな開発)のほうが「まだ」今はいいのかもしれません。