カミナシ エンジニアブログ

株式会社カミナシのエンジニアが色々書くブログです

【AWS re:Invent 2023】AWSマネジメントコンソールに埋め込まれた生成 AI な新サービス"Amazon Q"を知るための9つの質問

ソフトウェアエンジニアの鈴木(@szk3)です。AWS re:Invent 2023に参加しており、現地ラスベガスでこの記事を書いています。

さて、本日の Keynoteで発表された Amazon Q という生成AIのサービスですが、めちゃくちゃ使えそうという印象を受けました。

aws.amazon.com

しかし、そんな Amazon Q ですが、公式サイトの紹介ページヘッダーを見ると、専門領域と機能の複数の切り口で紹介されており、若干わかりづらい感じになっています。

専門領域のところでいうと、Amazon Qが主となる「Amazon Q (For Business Use)」「Amazon Q (For AWS Builder Use)」の2つで、他のAWSサービスにbuilt-inされる「Amazon Q in QuickSite」「Amazon Q in Connect」「Amazon Q in Supply Chain」などが紹介されています。

今回は、Amazon Q (For AWS Builder Use)で紹介されているAWSマネジメントコンソールから起動できるAmazon Qを触ってみましたので、9つの質問を通してどんなことができるのかを紹介します。

1.Amazon Q とは

まずは、Amazon Qについて、Amazon Qに聞いてみます。

※ Amazon Qは現時点では英語での利用になるため、consoleの言語設定をリセットしたうえで、Localization をEngilish(US)に変更してから試してます。

Q. What is Amazon Q?

A. Amazon Q is your generative AI-powered assistant designed for work that can be tailored to your business, code, data, and operations. Amazon Q is trained on 17 years' worth of high-quality AWS information so it can transform how you build, optimize, and operate applications and workloads on AWS.

翻訳すると、

"Amazon Qは、お客様のビジネス、コード、データ、運用に合わせた作業用に設計された生成的なAI搭載アシスタントです。Amazon Qは、17年分の高品質なAWS情報に基づいてトレーニングされているため、AWS上でのアプリケーションやワークロードの構築、最適化、運用方法を変革することができます。"

ってことです。要するにあれです、生成AIってことです。(オイ)

2.アーキテクチャーの設計を相談してみる

まずは、ちょっとしたアーキテクチャの相談をしてみます。

Q. I want to notify Security Hub findings to Slack by flitering based on its metadata. I also want to handle failures of Slack notification to retry in a resilient fashion.

A. To notify Security Hub findings to Slack by filtering based on metadata and handle failures resiliently, you can use the following approach:

ほうほう、手順を示してくれるパターンです。Amazon EventBridgeあたりをしっかり提案してくれるのは、AWSに不慣れな人にとってはとても親切ですね!

3.コンテキストが継続している質問をしてみる

先の質問の回答にあった内容から、AWS Lambda を除外するようにお願いしてみます。

Q. I don't want to use Lambda

A. To filter Security Hub findings based on metadata and notify to Slack without using Lambda, you can leverage CloudWatch Events and SNS:

ちゃんとコンテキストを引き継いでいるようです。ここらへんは巷の生成AI系チャットサービスと同じような動き方をするようです。

4.感謝の気持ちを伝える

生成AI系チャットサービスをつかっていると、「ありがとう!」って言いたくなりませんか?感謝の気持を伝えてみます。

Q. Thanks / I just thank you.

A. Sorry, I can't answer that question. Please ask me a different question about AWS.

Amazon Q に気持ちは届かずでした。Amazon Qは仕事熱心な生成AIですね。

5.AWS Cloud Formationのテンプレートを生成させてみる

次はテンプレートの自動生成に挑戦してみます。

Q. Could you generate a CloudFormation template to create an Amazon EC2 instance?

A. Here are the steps to generate a CloudFormation template to create an Amazon EC2 instance:

んー、手順は示してくれますがテンプレートは生成してくれないようです。

6.質問の仕方を変えてみる

もうちょっと粘りたいので、質問を変えてみます。

Q. Can you write an example template for me?

A. Here is an example CloudFormation template to create an EC2 instance:

おお!簡単なサンプル(以下図の赤枠)を生成してくれました!

が、表示的にはちょっと惜しい結果になりました。コードブロックとして表示されるとうれしいですね。

7.取得拡張生成(RAG)っぽいことはできる?

では、自身のAWSアカウントの情報をもとに回答してくれたりするのでしょうか?自身のAWSアカウントのコスト最適化について聞いてみます。

Q. How to reduce costs on this account?

A. Here are some ways to reduce costs on your AWS account:

こちらは一般的な手順を紹介されるという結果になりました。

質問のプロンプトが悪すぎる気もしたので「Can you tell me about the most expensive cost on this AWS account?」と再度聞いてみましたが、結果はさほど変わりませんでした。

Amazon Q Business ならうまくいきそうな気もします。

8.答えづらいことを聞いてみる

Q. Let me know about BigQuery / BigQuery on AWS?

A. Sorry, I can't answer that question. Please ask me a different question about AWS.

ちょっと何言ってるかわかんないっすね。という回答でした。

Amazon Q はAWSの情報に基づいてトレーニングされているので納得の結果です。

9.GameDayの勝ち方は?

AWS re:Inventでは GameDay という イベントがあります。今回自分も現地にていくつか参加しているので、その勝ち方について聞いてみました。

Q. How to win AWS GameDay ?

A. Here are some tips to help you win at AWS GameDay:

おおお、情報が公開されているので参考URL付きで回答してくれました!

今後参加する予定のGameDayの参考にします!

まとめ

Amazon Q は、まだ英語しか利用できないなど一部の制約がありますが、間違いなく今回のre:Inventにおける目玉として登場したサービスだと感じました。

また、質問プロンプトもよく見るとtypoがあったり、冠詞が抜けてたりと結構雑に書かれているのですが、そういったところも空気を読んで回答してくれるのでとても良さげです。

自分がソリューションアーキテクトとして振る舞う際は、Amazon Q とうまく共存してスピード感のある価値提供をしていきたいと思います!

Appendix