前回の記事でも書かせていただいたとおり、先週アメリカのラスベガスで行われた AWS re:Invent に参加してきました。
kaminashi-developer.hatenablog.jp
筆者は海外へ行くことも2回目(米国は初)で慣れないことも多く大変だったため、反省を来年に生かすためにも、初参加してみてわかったこと、事前準備しておけば良かったと感じたことを記載させていただきます。
来年は AWS re:Invent に参加したい(けど海外はあまり行ったことがなくて不安)という方はぜひご覧いただければと思います。
※ セッションの内容に触れる技術的なことは今回記載しておりませんので、そちらは別途ブログに記載できればと考えております。
事前準備〜移動
ホテル及び、人気のセッションの予約はすぐ埋まるのでチケット取得は早めに
イベントのチケットを購入するとイベントのポータルサイトにログインできるのですが、そこから当日のセッションやイベント期間中の近くのホテルを予約することができます。
セッションは当日並んで入れる枠もあるのですが、並ぶのに時間や体力を使うので、予定を組みやすくするためにも事前に予約できていた方がベターです。
(人気のセッションには長蛇の列ができるので、1時間以上ならばないと入れないこともあります)
後述しますが当日のスケジュールはハードなので、余計な体力を消耗することはなるべく避けた方が良いです。
また、ホテルも割引価格で近くのホテルをポータルサイトから予約することができます。
しかしこれも枠に限りがあり、予約が遅くなるとイベント期間中全部の日程を予約することができず、他のホテルを直接予約 & 途中で移動する必要があります。
私たちも最終日(金曜日)の予約が取れず移動することになり、またラスベガス周辺のホテルは高額なため可能な限り早くポータルから予約するのが良いです。
どのセッションに参加するか、会場がどこか踏まえて事前に決めておく
前述したチケットを取得することで予約できるセッションですが、非常に多くの数があります。
そのため自分が興味があるセッションを選んでおくのですが、重要になってくるのが開催される会場。
re:Invent はラスベガスの数箇所のホテルを利用して行われるのですが、その1つ1つが巨大。
会場と会場を移動する際には AWS が無料で用意してくれているシャトルバスを利用する必要があることもあるので、その移動時間を考慮して参加するセッションを選んでおく必要があります。
セッションごとに会場を移動することになると大変なため、その日のセッションはなるべく同じ(もしくは近くの)会場のものを選ぶのがベターです。
そもそも全部は参加できないため、時間をかけて事前に自分が興味があるセッションを絞っておくと良いと思います。
選び方としては、興味があるセッションにスターマークをつけると My Calender に追加されるので、
- 興味がある・面白そうなセッションに片っ端からスターマークをつける
- 予約枠があればとりあえず予約しておく(キャンセルはいつでもすぐできるが、時間帯が被るセッションの予約はできない)
- 特に興味がある参加したいセッションを選ぶ
- そのセッションが行われる会場に近い場所で行われる(あるいは時間内に移動可能な)セッションのみ残す
といった手順で行うのがやりやすかったです。
移動は国際線での移動距離を長く
AWS re:Invent はアメリカのラスベガスで行われますが、日本→ラスベガスの直行便はないので、どこかを経由(トランジット)して向かう必要があります。
経由地もさまざまあり、一般的な経由地としてロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルが候補に良く挙げられるそうです。(他にもバンクーバー、ポートランド、サンノゼ、サンディエゴなど様々)
ラスベガスへの飛行機の選び方。最短経由地、よい経由地、そうでもない経由地。
今回私は時差ボケを避ける+1回のフライト時間を短くするためにホノルル経由で0泊2日で移動しましたが、思惑通り時差ボケはなかったものの以下の理由で体力的に辛かったのであまりおすすめできないです。
- 夜間のフライトになるため、機内泊になるがほぼ寝れない
- 約6〜7時間のフライトになるが機内の狭さや音などで寝れた思えたのは1〜2時間
- トランジットの時間が長い(約13時間)
- その間少し観光でもできればと考えたが、機内泊で疲れており、荷物を持っての移動はされに体力を削られる
- ホノルル空港には荷物預けロッカーはなし
- 後で調べると空港への荷物預け予約がWebからできるようであるが、海外で荷物を預けるのは紛失など考えるとリスキー
- その間少し観光でもできればと考えたが、機内泊で疲れており、荷物を持っての移動はされに体力を削られる
- ホノルル→ラスベガスの移動がさらに辛い
- 日本→ホノルル、ホノルル→ラスベガスは共に6時間ぐらいだが後者は国内線扱い
- 機体が狭く負担が大きい
- 日本→ホノルルは席にだいぶ余裕があったが、ホノルル→ラスベガスは満席だった
- 機体が狭く負担が大きい
- 日本→ホノルル、ホノルル→ラスベガスは共に6時間ぐらいだが後者は国内線扱い
参加された日本人の方にも聞いてみると、日本→(10時間フライト)→ロサンゼルス→(1時間フライト)→ラスベガスで移動されている方が比較的多かった印象です。
以上から途中のトランジット先での予定がないのであれば一気に移動してしまい、現地で拠点を構えて休んだ方がトータルで楽かと思いました。
イベント中
会場は広いので、持ち運ぶものは最小限に
現地で参加してみると実感するのですが、会場はとにかく広いです。
どれくらい広いかというと、他の方のTwiitを引用させていただくと、東京の日本武道館+丸の内+虎ノ門ヒルズ+三田ぐらいを徒歩やバスで行き来します。
ちなみにマンダレイが三田の飲食エリア全部、MGMが虎ノ門ヒルズ全棟、ベネチアンが丸の内エリア全部、Wynnが日本武道館くらいの位置です。そこをセッションごとに行ったり来たりしてるわけです #jawsug #finjaws pic.twitter.com/hKAu7V5f0g
— Shingo 吉田真吾 (@yoshidashingo) 2022年12月1日
かなりの距離を移動することになるのでスニーカーなど歩きやすい靴にするのはもちろん、荷物も最小限にしておくのが良いです。
荷物が多いと移動及び待機時の足肩の負担になったり、大きな会場では手荷物検査もあるので荷物が大きいとそれだけチェックが大変になるためなるべく最小限のコンパクトなリュックなどで挑んだ方が良いです。
(筆者は初日バタバタしてとりあえず適当に荷物をリュックに詰めて行ったら手荷物検査があり、中身についてこれは何だと色々聞かれて大変でした)
Keynote は現地で見たいなら早めに並ぶ(特に初日)
Keynote は予約ができないので、現地で参加したい場合は並ぶ必要があります。
初日の CEO の Keynote は新サービスの発表がたくさんあることからかなりの人気です。
Keynote は朝の8:30から行われるのですが、初日は初参加でどれぐらいのものになるかわからなかったので 7:30 ぐらいに行ったところ既に待機列はいっぱいで待ちの列に並ぶことすらできませんでした。(あとから知ったのですが、ちょっと待っているとまた並べるようになったとか)
現地で参加するなら Keynote は直接見た方が良いと良く言われますが、現地だと発表に対する周囲の反応があるので、新サービスが一般にどう思われたか感じることができるので、特に初めて参加するのであればぜひ現地で見ていただくことをオススメします。
現地参加なら Breakout Session より WorkShop や Gamified Learning を優先
イベントのセッションにはさまざまな種類があり、
- Breakout Session(登壇者の話を聞くだけ)
- Chalk Talk(登壇者と参加者がテーマに沿ってディスカッションしながら進める)
- Workshop(ハンズオン形式で、用意された環境を元にAWSのサービスを触る)
- Gamified Learning(参加者同士でチームを組んだりして得点を競う)
などがあります。
現地で参加して感じたのが、聞くだけの Breakout Session も面白いのですが、せっかくラスベガスまで行くのであれば Workshop などの体験をした方が学びがあるという点です。
Breakout Session は後で動画が公開されることも多いため、どうしても聞いておきたいというものでなければ他を優先して後で動画を見ると良いと思います。
AWS のイベントでの動画は↓で公開されているので、今回不参加の方、参加したけどもう一度見たいという方はご覧いただくのがおすすめです(かなり数が多いので探すのが大変かもしれませんが・・)
https://www.youtube.com/@AWSEventsChannel/featured
→データレイクアーキテクチャーのベストプラクティスとそれらを学ぶためのドキュメントがまとめられているのでおすすめです。
また、私は今回英語力に自信がない&枠が予約できなかったので参加しなかったのですが、他の世界中から集まったエンジニアとのコミュニケーションに不安がないなら Gamified Learning に参加すると圧倒的な学びがあるようなので良いと思います!(私も今回の現地参加で英語力のなさを思い知ったので、次回参加までにはある程度英語ができるようになっておこうと思いました)
また、Chalk Talk も1つだけ参加したのですが、こちらも英語力(特にリスニング)に自信がない場合はちょっと辛いと感じました。
講師の方の話はスライドもありなんとなく理解できるのですが、参加者の質問は文脈がわかなかったり、話すスピードも速かったりしたので、こちらも次回参加する際には英語力を高めてディスカッションに参加できるようになっていたいと思いました。
ある程度 AWS の知識がある場合、Breakout Sessionは レベル 300 以上のセッションを選ぶ
イベントの各セッションは以下のレベルが設定されていました。
- 100 - Foundational
- 200 - Intermediate
- 300 - Advanced
- 400 - Expert
聞くだけの Breakout Session の場合、200まではサービスの説明レベルなので公式のドキュメントを読めば書いてある程度の話しかなかったため、ある程度 AWS を触っており、SAA レベルの知識を有しているのであればレベル 300 以上のセッションのみに絞って良いと感じました。
ただし WorkShop の場合はそれに限らず、まったく聞いたことや触ったことがないサービスであればレベル 200 のセッションでも参加する価値はあると思います。
海外(ラスベガス)での過ごし方
モバイル回線は海外で使える eSIM が便利
海外でもどこでも現代では必須と言えるネット回線。 空港でモバイル Wifi をレンタルしたり、事前にプリペイド SIM を購入したりする方法があると思うのですが、今回私は trifa という eSIM のサービスを利用しました。
事前にアプリをダウンロードしておくと、そのアプリ内で eSIM が購入でき、そのままスマホに適用できたのでレンタル Wifi やプリペイド SIM と違い受け取る手間なし、直前でも購入可能で便利でした。
またレンタル Wifi やプリペイド SIM と違い物理的なモノがないため、余分なモノを持ち運ぶ必要がなかったのも楽でした。
eSIM を使ったことがなかったので設定が不安でしたが、アプリ内に手順もあったので問題なく設定もできました。
回線速度については、イベント中はバタバタしており計測を忘れていたのですが、高速とは言わないものの問題なく使えるレベルでした(室内では電波が届かないところが時々あったので、re:Invent の Wifi があるところでは基本そちらを利用してました)
料金については、アメリカ全域で使え 3GB15日有効のプランで5,000円弱。
料金については公式のQ&Aによると
プランは為替状況、現地通信会社との取り決めに応じて金額が定期的に変更されております。
とのことなので多少の時期によって変更はあると思うものの、空港でモバイルWifi を借りたところ1GBで1万前後だったらしいので、値段もそこまで高いものではないと思われます。
(ちなみに私が渡米した際のレートは1ドル約139でした)
海外は フリー Wifi があることろも多いですが、外で Uber や Map を利用する際には重宝し、3GB をちょうど使い切る程度でした。
次回このサービスを利用するかはまだわかりませんが、事前受け取り不要で持ち運びが楽な体験はすごくよかったので、次回もなんらかの eSIM サービスを利用しようと思います。
メインストリート以外は入らない
ラスベガスは煌びやかな街ですが、ちょっと離れると危険な場所も多いです。
会場の間のメインストリートやカジノ内は比較的安全ですが、そこから外れた特にビルの間の小道などは危険なので近づかない方が良いとのことです。
ランドリーは基本無いのでクリーニング or 部屋で手洗い
日本のホテルだとコインランドリーが良くありますが、ラスベガスはリゾート地なのでホテルにランドリーはありません。
ちょっと離れたところに行くとコインランドリーはあるそうなのですが、治安の関係で今回は利用しませんでした。
運良く部屋に洗濯機がある場合は良いのですが、ない場合は洗濯のためにクリーニングを利用する必要があります。
部屋に申し込み用紙があるので、それに洗濯物の種類と点数を記載してフロントに連絡して取りに来てもらう必要があります。(この際、取りに来てくれた人に数ドルのチップが必要)
またこれも海外事情なのですが、時々クリーニングに出した衣類が紛失します。
今回の期間中に2回クリーニングを利用した同僚2人は問題なかったようなのですが、1度だけクリーニングを利用した私は、返却された衣類の内靴下が4ペア中1ペア紛失してました。
なくなるのは良くあることで、運が悪ければまるまる返ってこないということもあるようなので高いお気に入り衣類は持っていかないorクリーニングに出さないのが良いと思います。
また靴下・下着類の小さいものであれば、紛失リスクを避けるためにも部屋で手洗いして干すのもありなのかなと思います。
Uber / Lift の乗れる場所は決まっている
アメリカでは Uber / Lift が普及しており便利ですが、日本のタクシーみたくどこでも乗り降りできるわけではないので注意です。
空港でもホテルでも専用の乗り入れする場所があるので、そこを利用する必要があります。
(専用の場所があるというのは普及していて市民権があるのかと思いきや、批判があり隔離されているとのことのようです・・)
知らずに呼んでしまうと、思っていたのと全然違う場所で乗り降りすることになるので注意が必要です。
現金は基本不要も、換金するなら細かいものを事前に日本で換金しておく
ラスベガスでは基本クレジットカードで決済が可能なため現金はほぼ必要ありません。
盗られるリスクもあるため持ち歩かないことがベターかもしれませんが、前述のランドリーのチップや、バスの移動で必要になってくることがあるので、少額の細かいドルは持っておくと良いです(だいたいお釣りが出ないので大きいものだと損をする)
また現在は新型コロナウィルスのため、空港などの換金所が閉まっていることが多いです。
クレカのキャッシング枠を利用する手もありますが、機械とクレジットカードの相性なのか引き出しができないパターンがあったので、可能であれば先に日本で換金しておくのが良いと思われます。(不正利用を防ぐ目的で現金の引き出しにシビアなクレカ会社も多いようです)
持って行って良かった物・持って行けば良かった物
日本であれば基本現地調達で良いと思うのですが、ラスベガスの場合物価も高く、また普段使いのものが手に入らないことが多いため、持っていきたいものを箇条書きで記載します。
- 常備薬・処方箋
- 慣れない環境で体調を崩しやすいので普段使いの薬を持っていくと良い
- 頭痛薬などは近くのスーパーで売っているが、自分に合うとは限らないので以下普段使っているものがある場合お守りとして持っていくと良い
- 頭痛薬
- 胃薬
- マルチビタミン
- こちらも慣れない環境&ちゃんとした食事が取りにくいので
- 毎日長時間歩くことになり疲労も溜まるので回復に重宝しました
- アイマスク・耳栓(もしくはノイズキャンセリングイヤホン)・ネックピロー
- 飛行機で少しでも寝るために(機内はけっこううるさい)
- ネックピローはないと首が安定しないため、寝にくく首を痛めることになります
- 歯ブラシ・シャンプー・ボディソープ・髭剃り
- 歯ブラシ、髭剃りといったアメニティは基本なかったです
- シャンプー、石鹸はありましたが、泡立ちが良くなかったです
- スーパーで売ってますが高いのでこだわりがある人はトラベルセットを持っていくのが吉
- 流せるウェットティッシュ or 携帯ウォシュレット
- ラスベガス(海外は全部?)トイレにウォシュレットはありません(綺麗な設備の揃っているカジノ付きのホテルでもないです)
- 普段からウォシュレットを使っており慣れている人には辛いため、次回は流せるウェットティッシュ or 携帯ウォシュレットを持っていこうと決意しました。
- ラスベガス(海外は全部?)トイレにウォシュレットはありません(綺麗な設備の揃っているカジノ付きのホテルでもないです)
ウォシュレットがないのは本当に切実なので、次回は必ず流せるウェットティッシュか携帯ウォシュレットを持ってこようと思いました。。
— Taku@エンジニア (@arakawa_gios) 2022年12月1日
(日本だと最近は公衆トイレにもあったりするのに、ベガスの煌びやかなカジノにすらないとは思わなかった) https://t.co/AK8gCEHWrM
終わりに
繰り返しですが、今回私が初の AWS re:Invent 参加でわからないことだらけだったこともあり、100%フルに学ぶことができたと言えなかったので、来年の反省に活かすためにも思ったことを記載させていただきました。
ぜひ、次回以降初めて参加する人の参考になれば嬉しいです。
また、今回記載させていただいた AWS re:Invent での立ち回り以外、AWS サービスに関する学びももちろんありましたがまだまとめきれてないため、カミナシ内で活用できそうなものについてはこれから実践して結果をまたブログで共有できたらと考えております。
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